kyk32’s blog

大学入試のブログを書いています。(出版に負けるため一度ここで止めます)

12. おすすめの参考書の紹介 続々編

数1Aと数2Bではセットにして紹介します。数学ももちろん過去問を軸にする勉強から逸脱することはありませんが、他の教科と比べるとやや問題集などの参考書を重視します。また、センターと一般試験とで方向性が多少異なるため、参考書もそれに伴います。まずはセンターのみ受ける予定の方を対象にして説明します。センターの数学は1も2も基礎部分となります。最終問題はやや難易度が上がりますが、それでもあくまで基礎です。よって、たとえ初学から取り組んだとしても、誰でも満点をとれるチャンスが高い科目でもあります。まず取り組むべき参考書としては、学校の教科書レベルを仕上げられる参考書です。副教材で問題集を持っている方も多いと思いますが、受験以前によく取り組んでいた方は特に伸びやすくなると思います。具体例を挙げると、「学研 よくわかる数1A、2B」がおすすめです。それぞれ辞書みたいに分厚い本ですが、センター試験を重視している構成なのでこの一冊と過去問のみで仕上げられます。時間をあまりかけられない方は、例題に付属した問題とセンター試験実践問題の2箇所のみ進める方法でも大丈夫です。センター数学は時間が不足気味になりやすいため、スピードも求められます。この一冊が仕上がった状況で、あとは時間を測った上で過去問をたくさん解けば、得点も上げられ時間配分も上手くなれる一石二鳥な結果が得られるはずです。次にセンター数学と一般試験で数学を使う方に向けてです。時間をかなりかけることが覚悟となりますが、青チャートを仕上げることを進めます。難易度が低いところから高いところまで揃っていますが、一冊でセンターから難易度の高い試験までカバーできるという点で最も王道となります。そこでさらに効率の良い方法を紹介しますが、一般試験を受ける方は、自分の志望校の出題範囲を長年の中で研究・分析してください。それはどういうことかというと、明治や理科大では、微分積分でほぼ構成されていたり、難関大でも数3がほとんどでず数2Bが多く出題されていたりと各試験に傾向が存在しているのです。そのため、過去問を研究した上だと、どこの分野に力を入れるべきかがわかります。出題範囲が逸れてしまう危険性もありますが、極端にヤマを張ったりしなければ、リスクとしては低いです。青チャートも量がかなり多いため、この出題傾向を掴んだ上で取り組めばかなり効率良くこなせると思います。医学部受験者はプラスアルファとしてもう一点おすすめします。「医学部数学のチャート」という分厚い黒い本です。こちらは4000円あたりと価格帯が高い参考書ですが、私立から国公立までほとんどの医学部の出題を丁寧に解説しているため、たくさん併願している方にはとてもおすすめです。一問ずつしっかりと取り組むことによって、かなり解けるようになると思います。

次に政治・経済を紹介します。政経は選択できない大学が増えてきたため、受けられる学校が限られてきています。その他の選択をとった方がいいのではないか?という社会選択科目についての紹介は、後ほどの記事で改めて書きます。社会選択に共通していえることは、学校の教科書が受験にそのまま結びつくということです。これはセンターだろうが早慶だろうが、レベル関係なく言えます。なので、教科書をしっかり使ってきた方や、教科書での学習で抵抗がない方は、過去問で判断した上で教科書の必要な部分を隅から隅まで読むことをこなしてください。教科書での暗記となります。その方々は、これから紹介する土台づくりの参考書は不要で大丈夫です。しかし、やはり教科書での勉強はしづらいという方も多くいますし、授業が少なかったなどで教科書にぜんぜん触れていない方もいますので、そういった方々は一から参考書で進める方が身につきやすいと思います。そのため、社会科目、そしてこのあと紹介する理科の生物では、教科書が重要な参考書の一つとなるということです。話を戻しますが、政経の場合は主に2パターンに分かれやすいです。「ワード筆記型」と「選択肢型」です。国公立の2次試験では、ほとんどといっていいほど政経選択がないため、私立が中心となります。ワード筆記型というのは、単語を筆記で書く箇所が中心な試験のことです。それに対して選択肢型というのは、4択などの選択肢の中で正誤を判断する、センターと同じタイプの試験を指します。ここで使う参考書が異なる点は、ワード筆記型ではもう一冊必須で加わるということです。まずは、どちらの型としても、またどの試験に向けても、基礎づくりのための必要な参考書として「センター試験の点数がおもしろいほどとれる本 政治・経済」をおすすめします。いわゆる黄色本です。もしくはこの本ではなくとも、政経の先生で有名な蔭山先生という方がセンター試験用に何冊か出版しているので、ここでは詳しく紹介しませんがそちらもぜひ参考にしてみてください。要するに、センター試験対策本が全ての土台になるということです。例え早稲田といった難度の高い問題でも、この本から逸脱して出題されることは、学部にもよりますが少ないです。逸脱してしまっている問題では、みんな解けないため平均点が低いので安心してください。なので、この本をまず全体を通して完璧に覚えられるようにしてください。あとは過去問を重ねることになります。ワード筆記型の場合は前述した通り、もう一冊紹介します。「政治・経済 標準問題精講」です。このシリーズの本は、他の理科などでもメジャーな本ですね。ワード筆記型に適した過去問や、経済分野にあたる計算問題などもしっかり載っているため、おすすめです。学習院や早稲田の教育学部など、典型的なワード筆記型もこの本を基にして解けるようになります。まとめると、政経も含め社会選択科目では、センターで高得点がとれるほど他の試験にも連動して得点率が上がるということです。別物ではないため、センター対策本を中心に使って高得点を狙ってください。補足で世界史・日本史の歴史選択の部分も少し加えて紹介しますが、早慶を受ける方はかなり難度の高い問題が出題されるため、山川出版社の「一問一答」も使いこなしてください。山川出版社は学校の教科書を出版してる有名な会社ですが、この一問一答もかなり有能だと聞きます。これを完璧に仕上げたと言っていた2人の友達は、どちらも早慶の受けた学部全部に合格しました。量も多めだと認識していますが、このように実績もあるため、使用してみることを別途おすすめします。

最後に生物の紹介をします。生物は、特にセンターと一般試験では大きく異なる傾向で、またセンターの中でも生物基礎と生物とで出題がだいぶ変わります。そのため、政経同様、基礎となる参考書を一冊仕上げ過去問で判断した上で、それぞれの方向性の参考書に分けてください。センターの生物基礎のみ必要な方では、先ほどと同じく黄色本の「生物基礎」を使ってください。もちろん教科書で進めやすい方は教科書でかまいません。そして、特にセンターの過去問はたくさん解くことを欠かさないでください。生物基礎も生物も、出題や範囲が変わりづらい傾向があり、過去問が大きな力になります。生物の場合は、「大堀先生 高校生物をわかりやすく教えてください!」という参考書をおすすめします。こちらはつい最近出版された本で、この大堀先生という方は、先ほどの黄色本も担当している生物の有名な講師です。とてもわかりやすく、要点もまとまっています。本自体は分厚いため長い時間を要してしまいますが、ちゃんと見合った力がつくので、全体を欠かさずに根気よく読みこなしてください。ただ本当に時間が限られて厳しい方では、付属として暗記部分をまとめた小冊子がついているので、少なくともそちらだけを読みこなしてください。そして一般試験でも使う方は、医学部受験なども含めて「旺文社 生物の良問問題集」を解いてください。過去問を通して必要性の少ない部分などが判断できれば、飛ばしたりしながら進めて大丈夫です。典型的な出題パターンや傾向がしっかり記されているため、実戦でも解ける問題が増えてきます。ただしあくまでも過去問が得点率アップの最適手段なので、過去問を中心に進めてくことは生物でも変わりません。 その他の物理、化学、地学では、問題傾向がかなり異なってしまうため、今回は私から薦めることを控えておきます。

このように、おすすめな参考書を各教科紹介しました。では、勉強に対する意欲などを通して、次の記事ではより具体的な勉強への取り組み方を私なりに説明していきます。

11. おすすめの参考書の紹介 続編

続いて、国語からの紹介に入ります。現代文と古文、漢文に分かれますが、まず現代文に至っては、過去問のみしかすすめません。よく見る人の例を挙げると、漢字対策のために漢字テキストを解く人がいます。実はどこの国語の問題でも、常識的な漢字から逸脱して出題されることはほとんどないです。普段読者や新聞、もっといえばそこまで堅苦しくなくテレビやネットで触れるような漢字を知っていれば、解くことができます。また、典型的に同じパターンが出題される傾向もあります。漢検や受験対策のテキストの場合、かなりの量があるため時間を費やしてしまいます。漢字は元々配点も出題数も少ないため、長い時間かけても割に合いません。そのためにも、普段から慣れているところが出るような心構えでいてください。そして現代文の参考書なのですが、こちらも特に必要ないと思います。中でも「河合塾 入試現代文のアクセス」や「実況中継シリーズ」は有名ですが、必要とまでは言えません。入試現代文のアクセスでは、英語の長文参考書と同様に様々な大学から出題されているため、形式がバラバラです。特に筆記の試験が多く組み込まれているため、どちらかといえば国立大学に向いています。そのため、必要な参考書としては選別します。実況中継では第4シリーズまであります。順接や逆接といった基本的なことから深く学べるという点では良いところです。ただこちらも長いため、時間がある方にはおすすめできますが、解き方の手順などを示した他の参考書も含めて過去問に敵うとは言い難いです。よって、漢字も現代文も過去問オンリーで力をつけていく方法で薦めています。古文は、単語帳と過去問の二点セットで大丈夫です。よく「マドンナ」などの文法書も薦められますが、単語帳に記載されているところをこなせば必要ないと思います。ただし、東大や一橋は特に、その他も含め国公立では完璧な現文和訳を求められることが多いため、加えて「ライジング古文」や「難関問題集シリーズ」などを解いて、解説をあてにすることも薦めます。共通して言えることは、古文でも過去問中心で取り組むことです。単語帳で身につけた知識のみで過去問を解き、重ねることによって得点率を上げていけます。そこでおすすめの単語帳を紹介します。315単語もあれば、545や600単語の参考書もありますが、おすすめの参考書は「コゴタロウ 300」になります。こちらは河合塾で出版しているのですが、表紙も古臭く、単語帳自体はあまりメジャーではありません。しかし、他の参考書よりもメリットが複数あります。一つ目は、オーソドックスな構成というところです。単語に合わせた訳が優れているため、特に解説や付属の演習問題も気にせず、そのまま丸暗記することだけで力になります。余計な部分を省けるということです。二つ目は、用法や敬語の種類も詳しく載っているところです。ちなみに敬語の部分のみは、それが尊敬語か謙譲語か、丁寧語かをセットにして覚えてください。それによって、比較的敬語が問われる問題が多いため、効果としてかなり発揮できます。なので解説はこの部分だけですが、全体としては抜け目なく取り組んでください。そうすることによって、力を最大限に発揮する単語帳となります。続いて漢文では、この一冊のみの参考書で、どの試験にも通用します。先ほど同様、国立大学の現文和訳の場合は、漢文問題集の追加や過去問に多く費やしてください。その参考書とは、「漢文早覚え速答法」です。メジャーなため知ってる方も多いかと思いますが、別名では"イガ読み"と呼びます。その由来は"意外な読み方"をするためということです。主に10パターン構成と漢文の意味の暗記ページとで分かれますが、比較的範囲が狭いためすぐに終えられます。試験で求められるところや大事な要点をうまくまとめられているため、覚えやすく使い勝手も良いです。どこの試験で使おうともこの一冊のみが武器となりますので、ぜひお使いください。

今回の記事も長くなってしまったため、一度ここで区切ります。残りの紹介する科目は、数学1、2と政治経済、生物と、補足で世界史などを紹介していきます。

10. おすすめ参考書の紹介

まず、必要最低限の参考書を各教科分けますと、

英語→単語帳、文法書

国語→古文単語帳、漢文書

社会→教科書 or センターレベル参考書、歴史選択は加えて一問一答

理科→教科書 or センターレベル参考書

数学→センターレベル参考書

と、あくまで必要最低限の参考書ですが、1教科1〜2種類でまとまります。あとは過去問主体ということで、特にセンター試験はこの中だけで十分だと言い切れます。私大の一般や国公立2次試験では内容によって、プラスアルファーとして数学と理科の応用書や、英語の問題内容に沿った専門書などが付いてきます。参考書を多く使う勉強法もありますが、そちらも否定はしません。異なる参考書を使うことで、穴埋めのように重なった部分以外の知識も蓄えられるというメリットもあります。勉強というのは、その人に合ったやり方があり、全員十人十色で適合性が異なることが当たり前です。私からはあくまでも一意見としていいますが、効率性や吸収性を考えた場合だと、少ない参考書での学習法が有利になると考えています。例えば、一度目に読むときに完璧に覚えようとすることは欠かさないでほしいのですが、それでも完全に覚えきれる方はかなり少ないかと思います。自分の感覚では完璧だと感じていても、日数が経つとわずかな部分は抜けているのです。そのため、一ヶ月あたり先にもう一度読むことによって、大きく定着されます。実はこの方法が暗記としてとても効果を発揮し、定着力が高くなるのです。そのために、参考書を変えずに、同じ参考書を大事にすることが求められるのです。

では、文章だけになってしまいますが、おすすめの参考書例を紹介していきます。

まずは英語の単語帳です。私の一推しは、「システム英単語」になります。略してシス単ですが、例え東大であろうと、センターも通してどこの入試にでも有能です。おそらく、最もメジャーな単語帳はターゲット1900になるかと思います。私も使っていた時期はありましたが、覚えやすいというメリットの反面に、一義しか載っていないという物足りなさにデメリットがありました。実際ターゲットでの知識で英文読解をした際、意味を履き違えてしまった箇所が何度もありました。正答にもなかなか辿り着かず、苦労してしまいましたね。はっきりいってしまうと、単語は「英語の命」です。単語あっての英語となり、逆を言えば単語さえわかれば英文を理解することができます。もちろん、難関入試では意味のわからない単語がたくさん出てきますが、そのケースではまた違う解き方で進めるため、後ほどの記事で説明します。よって本来の場合は、単語をわかりきっていれば英文のほとんどの部分が理解できてしまうのです。シス単の場合、実際に英文で出るケースにあてているため、入試問題にも正確に適合するということが最ものメリットとなります。また、意味も一義に限らず、イディオムや語法なども含めて載っています。ですので、シス単では欠かすことなく全ページを覚える勉強によって、他の参考書を使う手間が省けるのです。よって、一冊の中に詰まっているということになります。補足でもう一冊紹介しますが、私も一部分を頼った参考書なのですが、「東大鉄緑会 鉄壁英単語帳」も優れています。文法から超難単語まで、全てといっていいほど掲載されています。しかし、その分辞書みたいに分厚い単語帳となっているため、こなすことにかなりの時間が必要です。高校3年生以上の受験生にとっては、時間配分でロスが大きいため、薦め難いです。ターゲットとは裏腹に、量が多すぎるというところがデメリットとなります。そしておすすめする文法書では、「ネクステージ」を紹介します。これは最もメジャーな参考書のはずなので、認知度も高いです。他のヴィンテージなどと比べて優れているところは、オーソドックスなため要点がわかりやすく、センターに求められるアクセントや文法出題部分までカバーしているところです。ただし量が多いため、受験までに仕上げられない方もよく目にします。ここで大切なポイントは、演習問題などを無理して解かないことです。この演習問題はほぼ全大学の過去問から一部分を引っ張ってきているため、前述した通り、自分に必要のない部分を汲み取っているとしても過言じゃないです。なので、ページの左側に演習問題、右側にその暗記事項にあたる部分が掲載されてますが、左側の演習問題には目を通さず、右側の暗記事項を覚えることだけで十分です。また、ページの後半にあるイディオムや会話文などでは、自分の受ける試験に必要だと感じた際に手をつけてください。センターでも会話文は出題されるのですが、会話文事項の暗記力というよりも前後の文脈から判断する力が求められがちなので、センターのためには必要ないと思います。もちろん余裕がある方は手をつけてほしいですが、その分他の勉強で稼げそうな人は、ぜひそうしてください。このように、文法書のネクステでは省ける部分が多いため、長時間を要さずにこなせるメリットがあります。この記事の最後にもう一つおすすめするのが、有名予備校講師の参考書です。この方は元東進ハイスクールで人気を誇る講師であり、現在はネットアプリでの講義によるスタディサプリの講師を務めています。評判通りかなりわかりやすい英語の著作を書いており、私も感謝しているほどお世話になりました。あくまでプラスアルファーとしてのおすすめなのですが、「関先生の世界一わかりやすい英語長文読解」、「関先生の世界一わかりやすい英文法・語法」という本です。この通り関先生という方の本なのですが、センターシリーズと同様な黄色本です。先生が丁寧に解説している内容となり、理解を大幅に深めることができます。私は元々英語が苦手だったため、理解に対する意識が低かったのですが、この本を通して理解力自体はかなり高めることができました。その他にも難関大学に即した対策本も出されていますので、余裕のある方はぜひおすすめします。

次の記事から国語以降の紹介を続けます。

9. 過去問の重要性

皆さんの中では、過去問はどれくらい重要な位置にあるのでしょうか?中には、一度も解かずに受けにいく方もいるかもしれません。「以前出題された問題が出るわけないのだし、そういった意味で過去問を解く必要生とは?」と疑問を抱いている方も多いかと思います。ですが、実は少し角度を変えた側面からみるところに意義が存在するのです。デタラメぽく聞こえるかもしれませんが、その試験の「コツ」を掴むことが重要になります。たとえ答えが理解し難くても、それを「パターン化」して解答を定着させることで、違った問題が出題されても正答に辿り着くことができるということです。また、その試験の問題形式が把握できるということも大きな理由です。英語は長文主体なのか、それとも文法主体なのか、国語はセンターと比べて共通するのか、しないのか、といった点に気付くことができます。そういった点で、過去問は最大の武器となるのです。

過去問についてもう一つ疑問の声が大きいのは、どのタイミングではじめるべきなのか?ということです。ずばり言ってしまえば、センターや志望校といった実際の試験の過去問を、参考書を扱い始める前、つまり受験勉強を始める前の段階で一度解くことです。もちろん"ちんぷんかんぷん"な状態で解くことになりますが。そこで意識することは、正答にこだわることではなく、問題形式を掴むことです。そして解き終えた後の解答場面では、解説を丁寧に読んだ上で、解答の着眼点を掴むことも重要です。これを通すことによって、その後の勉強の効果と効率がかなり上がります。具体的に述べれば、参考書を使い始めたときに表れます。参考書というのは基本的に1冊を仕上げるために長時間を要するので、当然ですが、吸収したものが発揮できなければ意味がなくなってしまいます。完全にムダとまでは言い切れませんが、自分が良いとした参考書、あるいはやるべきこととして人に薦められた参考書の中で、必要のない部分が多いこともあるのです。例えば、英語の長文読解でほとんど構成されている試験を受けるのに、文法書を中心に吸収していても効果は薄いですよね。もちろん読解にも文法で発揮する場面もでてきますが、読解は文章の理解する力が求められるため、文法はあくまでそのうちの一部分の手助け手段に過ぎないのです。そのように、試験内容に沿って直結した参考書が選べるか、が重要となります。前述のように先に過去問をインプットしていると、選んだ参考書を読み進めているうちに適合性がわかりやすくなります。そうすることで、途中で不適合だと気付けた場合、その段階でその参考書での勉強をやめられるのです。このように、過去問を最初に解くメリットはかなり重要なところに表れます。

ここまでの順序をまとめると、まずは受ける予定の過去問を解いてみる→参考書での勉強で取捨選択をする→試験直前に過去問を解く

となりますよね。実は、まだ指摘する箇所があります。最後の段階のところです。ここは、「試験直前」ではありません。どこかと聞かれれば、はっきりといってしまうと過去問を解くタイミングに決まりはないということです。というのは、過去問は参考書の一つでもあり、他の参考書との区別をつける必要がないのです。私の中での過去問は、「最高の参考書」だと思っています。いまでは塾や予備校から様々な良書が出されていますが、それよりかも自分の受ける試験の過去問を解くことの方が、得点率アップに最も近づきます。具体例を挙げてしまうと、「東進のレベル別英語長文問題集シリーズ」、「河合のやっておきたい英語長文シリーズ」は誰もが薦める参考書の一つですよね。しかし、これは様々な大学の出題から引用していたり、独自で問題を作成していたりするので、自分の受ける学校にあまりフィットしません。マークシート方式の選択肢問題を解くのに、和訳を要する筆記問題を解くのはかなり相違れます。解答に至る路線が異なるからです。それに対して過去問は、近年試験の中でも大きく異なることはないので、その問題での解き方を掴められます。よって、参考書よりも過去問が優れているということは示されているのです。では、参考書自体いらないのか?となってしまいますが、ここで正確にまとめます。それは、必要最低限の参考書をこなし、それからは過去問を中心に解いていくという方法がおすすめなのです。過去問を解くにあたって追加で参考書が必要だと気付けば、そこで追加の参考書を加えれば大丈夫です。このような勉強の進め方が、伴った実力を身につけてくれます。もちろんこれは試験区別なく、センターでも私大でも国公立の2次でも同様に共通してます。

では、必要最低限の参考書とは何なのか?それは次の記事で紹介します。

8. センター試験の利点はなにか

センター試験の由来は、元々「共通一次試験」という試験であり、国公立の一次試験として扱われていました。なので、今と目的が変わったところは特にありません。1990年頃に「センター試験」と名称が変更されましたが、その後徐々に私立大学も参入し始め、「センター試験利用」という、一般入試ではなくセンター試験の得点率によって合格者をだす枠が出来上がったのです。今では一部を除いた大学以外全ての大学で導入しており、一般入試と併用する試験など多様な制度が扱われています。そのため、ほとんどの大学に通用するということが一つ目の利点となります。前の記事でも紹介した通り、早稲田や理科大といった難関大学に加え、医学部でも利用できるところが増えました。基本は3教科での審査となりますが、4教科や5教科5〜6科目での審査もあります。国立では5教科7科目を必要とされることと対照に、私立では少ない教科で受けられることが狙いやすいポイントとなります。

次に、試験内容についてです。「基礎基本の試験にあたる」と大人や先生はよくいっていますが、その意味というのは、他の入試よりも問題の難易度が低いということではありません。前述の通り、元々共通一次の由来もあったため、基礎基本という表し方の定着がついているかと思われます。はっきりいってしまえば、昔の過去問も解いた経験上、昔と今とでは、今の方がかなり難易度が上がっています。それは教育内容や基準の上昇が伴っている背景もあるためですが、問題内容に関しても正答に導きづらい出題が増えている現状です。そういったことも含め、センター試験を苦手とする方や、なかなか得点率が伸びない方が多いのではないでしょうか。大人たちにとって「取れて当たり前」というニュアンスで捉えている一方、それに応えられない我々はさらに圧がかかると思います。そのような点で、センター試験と同時に国公立大学を避ける方も増えているのだと考えています。

では、ほんとうにセンター試験は一般入試よりも利点が多く、優れているのでしょうか?それは、対策次第によって変わってくるのです。前述で説明したこと以外のセンター試験の特徴をさらに書き出します。

1. 特待生選抜や特別入試を除いた場合、一番初めの学力入試となり、「受験の開会式」と呼ばれている。

2. 試験翌日、新聞やホームページを通して正式に解答と配点が発表されるため、確実な自己採点が可能となる。

3. 前述の多種多様性と関連があるが、一度受けた試験のみで、条件を満たせばいくらでも大学に出願できる。

1の点から、試験が一番早く終わるということを表しています。だいたい、直後に私立医学部の入試がきたり、2週間後あたりから私立大学の一般入試が始まるという試験日程になっています。そのため、センター試験利用を通して早めに合格校を確信できれば、一般入試に向けての安心材料ができあがるわけです。合格校を確信できるというのは、2の点にあたります。一般入試の場合、大学側からの正式な解答は翌年度以降になります。塾や予備校の先生方がより正確な解答例を出してくれますが、正式ではないため100%確信はもてませんし、配点も不明瞭です。対してセンター試験は、行政府自体が正式に行っている入試なので、正式な解答と配点が発表されるのです。よって、入試も一番早く終えられ、自己採点も正確にこなせることで合否が確信できるのです。実はこれらはかなり重要となります。おそらく、第一志望にあたる試験は一般入試に配置されていると思いますが、第一志望を受ける段階で既に合格している大学があるかないかとでは、ある方が実力が発揮できるのです。ない場合、焦りをかなり感じてしまいますよね?例え普段からこういった場面で強い方にとっても、あった方が必ず強みになります。ですので、センター利用の段階で自分の志望校の一つを決めることは、かなりおすすめの入試法なのです。また、3の点に関してもセンター利用をすすめられるポイントとなります。私立の受験料では、ほとんどの学校で共通しており、一般入試では3万5千円、センター利用入試では2万円前後が基準となります。センター利用入試の方が1.7倍近く受験料が安いのです。受験料の観点からみても、センター利用の方が併願にお得ということになります。

センター試験対策にあたる勉強法は後ほどの記事で詳しく説明しますが、それに関連して最後にもう一つ付け加えます。センター試験対策の勉強が、ほとんどの大学の一般入試につながるということです。具体的な科目名では、英語(筆記)、数学、理科、社会、国語(古典)です。一部分を除いた全教科となりますね。これは過言ではありません。難関大学も含めて、センター試験が軸となることが多いのです。このように利点が数多くあるため、センター試験を受けることを皆さんに推奨します。

次の記事では、過去問の重要性について説明します。

7. 早稲田は一般とセンター利用のどちらが良いのか?

早稲田は一般入試に加え、センター利用を実施している大学です。理科大もありますが、慶應上智にはありません。その他の大学でもほとんど行われていますね。早稲田は一般入試で3科目ですが、対してセンター利用は5教科6科目がベースとなっています。理工学部教育学部を除く全ての学部で実施されています。一般入試の特徴は、出題される問題の難易度がかなり高いです。合格点が6〜7割に当てはまりますが、MARCHの問題で8割とることと比べても狙い難いでしょう。また、偏差値換算でもあるため、素点プラス10%あたりが目安となりやすいです。そのため、前述の合格点でしたら7〜8割は求められます。さらに今の入試制度が一般入試の難関さにかなり影響を与えています。早稲田は2年前の入試から、行政の指示による入学定員厳格のため大幅に合格者を減らしました。その対象として、一般入試に大きく降りかかってしまったのです。文学部と文化構想学部では定員を2分の1も減らされてしまいました。よって、いうまでもなく合格点は上昇し、難関さに拍車がかかっています。私の実際の体験談と友人の情報を基にした例を紹介します。所沢キャンパスのスポーツ科学部と人間科学部の2学部では、ボーダー上昇に加えて問題が難化しました。おそらくボーダーの大幅上昇が懸念されていたため、そのデータの抑制手段としてだと思います。スポーツ科学部においては、今までの出題課題から大きく外れた小論文が出されたことも含め、とても話題となりましたよね。そして本キャンパスの教育学部では、特に人気のあった旧社会科学専攻にあたる公共市民専攻を受けた友人が、8割弱とっても補欠になったといっていました。その友人は慶應の法学部と経済学部に合格した実績を残していたため、疑いもなく実際の結果だと思います。実際私も、生涯教育専攻に出願しましたが、友人と同じ問題で自己採点で7割弱をとったにもかかわらず不合格でした。ただ私の場合は、その年の生涯教育が人気だったことと、素点でこの点数だったため、選択科目で落とし気味だったこともあり妥当性はありました。それにしても前者の慶應に進学した友達の場合は、その年以前までならば間違いなく合格していなければおかしい点数です。当時SNSでの合格状況も把握しましたが、やはりどこの学部においても、本来受かるであろう点数をとったにもかかわらず落ちていた、という疑念の声が多く見られました。特に教育学部では、高得点をとっても落ちた、との声がかなり挙がっていた事実です。このように、一般入試は以前と比べてもかなり狭き門となり、厳しい状況に直面しています。この問題は早稲田だけではなく、MARCHやその他の大学も一緒です。早稲田の厳格化が増していますが、対して慶應ではあまりされていないということもあり、一般入試では慶應の方が総合的に狙いやすいかもしれません。

そしてセンター利用の場合では、以前からボーダーもほぼ動いていません。安定して9割1分〜2分がボーダーとなります。問題も全体的に大きく難化したということもなく、昔からみても特に状況は変わっていないのです。それが一点、センター利用をおすすめできるポイントとなります。もう一点は、早稲田の学部ごとの違いにあります。早稲田ではセンターを積極的に導入しているため、センターを利用した幅がかなり利くのです。具体的に述べていきますね。

スポーツ科学部では、英語のリスニング有無、国語、数1Aを必須とした4教科構成になります。選択の一教科というのは、基本、必須科目を除いた科目で受験資格に値していれば何でもオーケーです。また、スポーツ科学部ではもう一つセンター利用の枠があります。こちらは競技歴方式といい、高校時代に優秀な運動部活動の実績がある方が対象となります。具体的にいえば、全国大会出場以上の実績が妥当です。受験資格に制限がないので、必ずしも全国レベルに達していないと出願できないというわけではありませんが、センター3教科と合わせた総合点で3分の1を占めているため、実績重視の配点となっています。その合計で8割前後がボーダーとなるので、スポーツ実績で妥当レベルの方であれば、センター8割前後で合格できます。対象となる方は、ぜひ検討してみてください。その他にも一般入試国英に加え、小論文試験の代わりとなるセンター併願方式があります。併願は最高得点1科目となり、理社の中から自由な1科目が対象です。こちらは一般入試の方式として扱うので、後ほどの記事の一般入試対策の際に詳しく説明します。人間科学部では、5教科6科目で8割8分前後がボーダーとなります。本キャンパスの学部と1〜2%しか変わらず、正直合格レベルが見合っていないほど高い得点率といえます。加えて独自方式で、数学選抜方式があります。こちらもセンター5教科6科目となり、それに独自入試の数学試験が加わる形です。配点割合は数学試験がやや高いため、こちらはセンターよりも数学力を重視する試験となります。センターボーダーは8割5分前後なので、センターでボーダー付近をとれた上で数学に自信がある方は、狙ってみてください。商学部では、英語、国語、数1Aを必須とした4〜5教科構成となります。この選択科目に着目すると、数2Bをとっても理社をとっても良いわけです。つまり、暗記や得意2科目を加える手か、数学を得意としている方は、数2Bを選択してオプションとしてもう1科目を選択する手があります。実はこの点が、商学部のセンター利用をかなりおすすめできます。スポーツ科学部プラス1科目となり、他の学部と比べるとかなり対策しやすいです。しかし、一般入試で狙う場合だと他の学部とのレベルに大差ありません。そのため、商学部のセンター利用は狙い目として早稲田で最も優れています。ぜひ狙っていただきたいです。その他の学部は全て、英語、国語、数1A、数2Bもしくは簿記か情報を必須とした5教科6科目構成となります。その中で政治・経済学部のみ、ボーダーが9割2分以上となります。

このように、スポ科、商をはじめとしたセンター利用では、狙えるポイントなのです。センター試験は基礎を基にしている試験なので、一般入試と比べ勉強の成果が反映されやすく、点数も積み重ねやすい試験となります。センター利用の方が偏差値がいくつも上がると述べている大人が多いですが、前述の理科大の例からしても、必ずともそうとは限りません。それに、一般入試とセンター試験とでは試験内容やデータが別物ですから、同じ土俵で比べることもあまりすすめられないです。そして何より、センター試験に向けた勉強が一般入試の力へと大きく加わると思っています。センター利用だと早めに決まることも利点の1つですね。

では、次の記事ではセンター試験の利点を詳しく説明していきます。

6. おすすめの私立大学入試法 その他

MARCHの特徴から説明します。全大学の問題を解いたことないので一概にはいえませんが、主に英語は長文型と文法型に分かれるかと思います。明治大学では、全学部統一入試において長文問題のみ出題されます。穴埋めで文法や語法を問うこともあるのですが、読解が中心の構成となっています。法政も長文主体となっており、話をきくと中央も7割型長文くらいです。対して青学と立教は、並び替え問題や文法問題も多く出題されており、どちらかといえばセンター試験と構成が似ている感じです。立教大学は他を例に出すならば、上智の英語と近いかもしれません。どこが狙いやすいのか、は各大学の学部ごとに異なります。前の記事で紹介した大学と比較すると、MARCHやこれから紹介する以降の大学では、全学部統一入試や後期日程など同じ学部でもチャンスが分けられるのです。よく聞く話では、全学部統一入試の方が難易度が上がるということなのですが、絶対そうだとは言い切れません。明治を例に出すと、全学部統一入試の日程が2月の頭の方と早いため、早慶と併願がしづらいのです。よって、明治はデータや問題の難易度から把握しても、全学部統一入試の方が比較的チャンスだと思います。他の大学も同様のケースがあります。特に青学では、国公立の本番と近い時期にメインの入試があり、そこはレベルが高くなりがちです。それよりも早い日程で決めにいくことがより無難になります。そういった入試制度の面にも目を向けることによって、狙いやすいところが徐々に現れてくるのです。自信がなくても腰を引かずに、どんな方でもチャンスはあるものだと思って受けてください。

成城や成蹊は構成が似ており、文法や語法問題も多い傾向です。合格点が高めなので、得意分野などで伸ばすことを目指してください。國學院や明学では学部が多いこともあり、狙いやすいところが見つかるはずです。國學院の神学部などが例です。明学は英語の問題が難しいと耳にします。クセのある問題は過去問をより多く積むことが得点率のアップにつなげられます。

日東駒専では、問題の共通性が多いです。駒澤と専修は極めて似ており、日大と東洋も含め問題構成、難易度があまり変わりません。日大の特徴として、一番生徒数の多い大学ということもあり学部の数が圧倒的に多いです。首都圏に絞らなければ、日大だけでも選択肢はかなり広がります。そのため併願もしやすく、合格できる可能性も上げられます。東洋の特徴は、試験に複数受けられることと、夜間の学部が活発になっていて併願しやすいことです。東洋は中期日程、後期日程までほぼ全学部で実施しているため、チャンスが大きいです。また、夜間の学部もほぼ全学部にあるというところも抜きん出ており、昼間学部との試験で併願可能です。この点が東洋をかなりおすすめできるポイントです。最後まであきらめないことが、一番合格に近づけることに結びつきます。駒澤はこの4大学の中でも比較的レベルが高く、ボーダーも高いため得意分野で点数を稼ぐことが合格のポイントとなります。特に仏教学部が狙いやすいところです。専修大学も同様に、とれるところをとっていく、ということをこなしてください。

長くなるため次の紹介で一旦止めさせていただきますが、関関同立に着目します。英語と政経の問題を少し解いたことがあるのですが、MARCHと比べても難しい方です。そして、同志社は飛び抜けてレベルが高いです。別名「西の早稲田」と呼ばれていますが、過大評価しているわけではなく、本当にその通りだと思います。私の友人も早稲田に受かっても、同志社の第1志望に落ちたりしています。京大や阪大を併願する方々でも落ちるとうわさを聞くほど、驚くくらいにレベルが高いです。どういったところの難易度が高いかというと、まず英語が難しいです。長文問題が主体ですが、かなりクセのある英文であり、早稲田よりも読解が難しいです。そして、選択科目の社会の難易度がかなり高いのに、ボーダーも高いため厳しくなります。偏差値換算をしているため、一問が命取りになると聞きました。用語の書き取り問題が多く、確実に高得点を取れません。このように、同志社が飛び抜けて高いのですが、他の3大学も負けないくらい難しいです。しかし、どれも総合大学であるため、狙いやすいところはでてくるはずです。詳しくわからないため深く説明できませんが、この大学の中でもボーダーが低いところや難易度が低いところはあると思います。そういったところも狙っていくことが、ポイントとなります。

このように、私立大学を説明していきましたが、次の記事では早稲田の一般入試、センター利用の違いについて述べます。