kyk32’s blog

大学入試のブログを書いています。(出版に負けるため一度ここで止めます)

8. センター試験の利点はなにか

センター試験の由来は、元々「共通一次試験」という試験であり、国公立の一次試験として扱われていました。なので、今と目的が変わったところは特にありません。1990年頃に「センター試験」と名称が変更されましたが、その後徐々に私立大学も参入し始め、「センター試験利用」という、一般入試ではなくセンター試験の得点率によって合格者をだす枠が出来上がったのです。今では一部を除いた大学以外全ての大学で導入しており、一般入試と併用する試験など多様な制度が扱われています。そのため、ほとんどの大学に通用するということが一つ目の利点となります。前の記事でも紹介した通り、早稲田や理科大といった難関大学に加え、医学部でも利用できるところが増えました。基本は3教科での審査となりますが、4教科や5教科5〜6科目での審査もあります。国立では5教科7科目を必要とされることと対照に、私立では少ない教科で受けられることが狙いやすいポイントとなります。

次に、試験内容についてです。「基礎基本の試験にあたる」と大人や先生はよくいっていますが、その意味というのは、他の入試よりも問題の難易度が低いということではありません。前述の通り、元々共通一次の由来もあったため、基礎基本という表し方の定着がついているかと思われます。はっきりいってしまえば、昔の過去問も解いた経験上、昔と今とでは、今の方がかなり難易度が上がっています。それは教育内容や基準の上昇が伴っている背景もあるためですが、問題内容に関しても正答に導きづらい出題が増えている現状です。そういったことも含め、センター試験を苦手とする方や、なかなか得点率が伸びない方が多いのではないでしょうか。大人たちにとって「取れて当たり前」というニュアンスで捉えている一方、それに応えられない我々はさらに圧がかかると思います。そのような点で、センター試験と同時に国公立大学を避ける方も増えているのだと考えています。

では、ほんとうにセンター試験は一般入試よりも利点が多く、優れているのでしょうか?それは、対策次第によって変わってくるのです。前述で説明したこと以外のセンター試験の特徴をさらに書き出します。

1. 特待生選抜や特別入試を除いた場合、一番初めの学力入試となり、「受験の開会式」と呼ばれている。

2. 試験翌日、新聞やホームページを通して正式に解答と配点が発表されるため、確実な自己採点が可能となる。

3. 前述の多種多様性と関連があるが、一度受けた試験のみで、条件を満たせばいくらでも大学に出願できる。

1の点から、試験が一番早く終わるということを表しています。だいたい、直後に私立医学部の入試がきたり、2週間後あたりから私立大学の一般入試が始まるという試験日程になっています。そのため、センター試験利用を通して早めに合格校を確信できれば、一般入試に向けての安心材料ができあがるわけです。合格校を確信できるというのは、2の点にあたります。一般入試の場合、大学側からの正式な解答は翌年度以降になります。塾や予備校の先生方がより正確な解答例を出してくれますが、正式ではないため100%確信はもてませんし、配点も不明瞭です。対してセンター試験は、行政府自体が正式に行っている入試なので、正式な解答と配点が発表されるのです。よって、入試も一番早く終えられ、自己採点も正確にこなせることで合否が確信できるのです。実はこれらはかなり重要となります。おそらく、第一志望にあたる試験は一般入試に配置されていると思いますが、第一志望を受ける段階で既に合格している大学があるかないかとでは、ある方が実力が発揮できるのです。ない場合、焦りをかなり感じてしまいますよね?例え普段からこういった場面で強い方にとっても、あった方が必ず強みになります。ですので、センター利用の段階で自分の志望校の一つを決めることは、かなりおすすめの入試法なのです。また、3の点に関してもセンター利用をすすめられるポイントとなります。私立の受験料では、ほとんどの学校で共通しており、一般入試では3万5千円、センター利用入試では2万円前後が基準となります。センター利用入試の方が1.7倍近く受験料が安いのです。受験料の観点からみても、センター利用の方が併願にお得ということになります。

センター試験対策にあたる勉強法は後ほどの記事で詳しく説明しますが、それに関連して最後にもう一つ付け加えます。センター試験対策の勉強が、ほとんどの大学の一般入試につながるということです。具体的な科目名では、英語(筆記)、数学、理科、社会、国語(古典)です。一部分を除いた全教科となりますね。これは過言ではありません。難関大学も含めて、センター試験が軸となることが多いのです。このように利点が数多くあるため、センター試験を受けることを皆さんに推奨します。

次の記事では、過去問の重要性について説明します。